ANAとJALの上級会員になれば、マイルがためやすくなったり、様々なサービスを受けられるようになったります。
しかし上級会員になるためには時間がかかるケースも珍しくありません。

修業と言われる、ANA便やJAL便に何度も乗るようなことをしなければならないことも・・・。
効率的に対処していかなければ、いつまで経っても上級会員になれないことも十分に考えられます。

当記事ではANAとJALの上級会員になるための修業について徹底解説します。
各会員ステータスになるためには、どのくらいの修業をしていけばよいのでしょうか?
また上級会員になるためのちょっとした裏技についても解説します。

読めばより効率的にANAやJALの上級会員を目指せます。
ぜひ最後までお付き合いください。

ANAの上級会員になるための方法|修業の基準について

ANAの上級会員になるための方法|修業の基準について

ANAの修業ですが、基本的にはプレミアムポイントを貯めることになります。
1年間でどれだけのプレミアムポイントが貯められるかが重要です(1月1日から12月31日まで)。

まずはプレミアムポイントとはどういったものかを確認してみましょう。

プレミアムポイントってなんだ?

ANAグループ便を利用すると獲得できるポイントです。
ただしマイル積算対象運賃で搭乗することが必須です。

例えばマイルを使う特典航空チケットに関してはプレミアムポイントが加算されません。
さらに他社のウェブサイトから航空券を予約・購入に関しても対象外となっているので注意しましょう。

ちなみにANAが加盟しているスターアライアンスの航空便を利用したときも、基本的にはANAのプレミアムポイントがたまりますよ。

プレミアムポイントの計算式は以下のとおりです。

【区間基本マイレージ×予約クラス運賃種別の積算率×路線倍率+搭乗ポイント】

かなり複雑な計算式なので、自身で前もってポイント数を把握する、というのはかなり難しいでしょう。基本となってくるのはフライトマイル(区間基本マイレージ×予約クラス運賃種別の積算率)です。
つまりフライトマイルがたまりやすい路線を利用した場合には、プレミアムポイントもたくさんもらえる、ということになります。

※プレミアムポイントの計算に関しては、ANAの公式ホームページから行えます。

路線倍率に関しては比較的シンプルです。

・国内線・・・2倍
・国際線(アジアやオセアニア路線)・・・1.5倍
・国際線(上記以外の路線)・・・1倍

 

たとえば羽田から札幌に向かう場合には路線倍率は2倍になります。一方で成田からニューヨークへ向かう場合には1倍となってしまうのです。
国内やアジアに向かう場合はフライトマイルがたまりにくいので、路線倍率で調整している、といった考え方もできます。

搭乗ポイントは0ポイントから400ポイントが付与されます。
国内線は対象運賃によって搭乗ポイントが割り振られており、国際線は座席クラスによってポイントが割り振られています。

国際線の搭乗ポイントは以下のとおりです。

座席クラス 搭乗ポイント(1区間)
ファーストクラス 400ポイント
ビジネスクラス 400ポイント
プレミアムエコノミークラス 400ポイント
エコノミークラス(Y,B,M) 400ポイント
エコノミークラス(U,H,Q,V,W,S,T,L,K) 0ポイント

次にステータスごとの条件を確認してみましょう。

ステータスごとの条件とは?

ANAの上級会員のステータスは全部で3つあります。

・ブロンズ会員
・プラチナ会員
・ダイヤモンド会員

それぞれのステータス獲得条件を確認しましょう。

【ブロンズ会員の条件】

・年間の獲得プレミアムポイント数が30,000以上である
・うちANAグループ運航便の利用分が15,000以上である

【プラチナ会員の条件】

・年間の獲得プレミアムポイント数が50,000以上である
・うちANAグループ運航便の利用分が25,000以上である

【ダイヤモンド会員の条件】

・年間の獲得プレミアムポイント数が100,000以上である
・うちANAグループ運航便の利用分が50,000以上である

注目して欲しいのが、全体のプレミアムポイントの獲得数だけではなく、ANAグループ運航便の利用分が一定以上なければならない、という部分です。
スターアライアンスの運航便を利用していればプレミアムポイントは獲得できるのですが、ANA便を利用していかなければ、ANAの上級会員にはなれない、ということなのです。

ではどの程度の修行をすればANAの上級会員になれるのでしょうか?

上級会員になるための修業をシミュレーションしてみた

たとえば羽田から沖縄(那覇)へ向かったとします。
フライトマイルは738マイルです。
クラス・運賃倍率は75%から150%であり、ここでは100%とします。

ボーナスマイルについてはプレミアムステイタスまたは利用カード別積算率が関わってきます。ここではボーナスマイル無しとしてシミュレーションします。
最後に路線倍率と搭乗ポイントがあるので、路線倍率は国内線なので2倍、安い運賃を利用したとして搭乗ポイントは0とします。

計算すると「738マイル×100%×2倍+0ポイント」となり1,476ポイントとなります。
1往復で約3,000プレミアムポイントの獲得となり、ブロンズ会員になるためには羽田沖縄間においては年間で10往復程度が必要になるのです。

ではもう一つ国際線で遠距離を利用したとしてシミュレーションしてみましょう。

成田から以下の条件でアメリカのニューヨークへ向かったとします。

・フライトマイル・・・6,723マイル
・クラス・運賃倍率・・・100%
・路線倍率・・・1倍
・搭乗ポイント・・・400ポイント

計算式は

「6,723マイル×100%×1倍+400ポイント」

となりました。
計算結果は7,123プレミアムポイントとなります。往復であれば14,246プレミアムポイントの獲得となるわけです。

ブロンズ会員であれば、年間に2往復+アルファでなれます。
プラチナ会員であれば4往復、ダイヤモンド会員であれば7往復+αといった感じです。

どこに向かうかによってプレミアムポイントには大きな差があるので、遠距離を利用する頻度が高い方であれば修業自体はそれほど大変なものではありません

 

ANAの上級会員になる方法と裏技を徹底解説!各ステータスの特典にも注目してみた

 

JALの上級会員になるための方法|修業の基準について

JALの上級会員になるための方法|修業の基準について

JALの修業ですが、基本的にはFLY ON ポイントを貯めることになります。
1年間でどれだけのFLY ON ポイントが貯められるかが重要です(1月1日から12月31日まで)。

まずはFLY ON ポイントとはどういったものかを確認してみましょう。

FLY ON ポイントってなんだ?

JALグループ便(ワンワールドグループ便)を利用するとためられるポイントです。
フライトマイルをもとにして、FLY ON ポイントが換算されることになります。

FLY ON ポイントは自動的に換算されるので、手続きをする必要はありません。

FLY ON ポイントの獲得には一定の条件があります。

・JALの運航便であること
・JALと提携する会社のコードシェア便であること
・ワンワールド運航便であること
・JALが個別に提携する運航便であること(ワンワールド以外)

 

以上の4つの条件のうち、いずれかは満たさなければなりません。
ワンワールド便や個別に提携する運航便については、JALのマイル付与基準を満たす予約クラスに搭乗することも必要です。

多くの人が気にしていると思われる、マイルを利用した特典航空チケットを利用した渡航については残念ながらFLY ON ポイント対象外となっています。
支払いをおこなわなければ、FLY ON ポイントは獲得できないのです。

次にFLY ON ポイントの計算方法を確認してみましょう。

【フライトマイル×FLY ON ポイント換算率×搭乗ボーナスFLY ON ポイント】

FLY ON ポイント換算率については以下のように決まっています。

・国内線・・・2倍
・国際線(アジアやオセアニア)・・・1.5倍
・国際線(上記以外)・・・1.0倍

 

ANAのプレミアムポイントにおける路線倍率と内容は一緒です。

搭乗ボーナスFLY ON ポイントに関しては、運賃に応じて最大400ポイントが積算されます。
基本的には、各チケットの運賃や座席クラスによって決定します。

次にステータスごとの条件を確認してみましょう。

ステータスごとの条件とは?

JALの会員ステータスは

・JGCワンワールドサファイア
・JMBクリスタル/JGCクリスタル
・JMBサファイア/JGCサファイア
・JGCプレミア
・JMBダイヤモンド/JGCダイヤモンド

 

以上の5つに分類されています。

それぞれのステータス獲得条件を確認しましょう。

【JGCワンワールドサファイアの条件】

JALグローバルクラブ会員のみ対象

【JMBクリスタル/JGCクリスタルの条件】

・年間で30,000FLY ON ポイント以上の獲得(そのうちJALグループ便15,000FLY ON ポイント以上の獲得)
・年間で30回(うちJALグループ便15回)以上の搭乗+10,000FLY ON ポイント以上の獲得

※いずれか一つの条件達成が必要

【JMBサファイア/JGCサファイアの条件】

・年間で50,000FLY ON ポイント以上の獲得(そのうちJALグループ便25,000FLY ON ポイント以上の獲得)
・年間で50回(うちJALグループ便25回)以上の搭乗+15,000FLY ON ポイント以上の獲得

※いずれか一つの条件達成が必要

【JGCプレミアの条件】(JALグローバルクラブ会員のみ対象)

・年間で80,000FLY ON ポイント以上の獲得(そのうちJALグループ便40,000FLY ON ポイント以上の獲得)
・年間で80回(うちJALグループ便40回)以上の搭乗+25,000FLY ON ポイント以上の獲得

※いずれか一つの条件達成が必要

【JMBダイヤモンド/JGCダイヤモンドの条件】

・年間で100,000FLY ON ポイント以上の獲得(そのうちJALグループ便50,000FLY ON ポイント以上の獲得)
・年間で120回(うちJALグループ便60回)以上の搭乗+35,000FLY ON ポイント以上の獲得

JALの上級会員に関してはFLY ON ポイントだけではなく、搭乗数が関わってくることもあります。
つまり獲得できたポイントが少なかったとしても搭乗回数が多ければ上級会員になれる可能性もあるのです。
国内線ばかりを利用している、という方でもJALの上級会員になれる可能性はあります。

※JALグローバルクラブ会員に関しては、JMBサファイア以上のステータスに到達すると入会可能になります。

上級会員になるための修業をシミュレーションしてみた

ではどの程度の修行をすればJALの上級会員になれるのでしょうか?
FLY ON ポイントの獲得を中心とした修業についてシミュレーションしていきます。

羽田から成田に向かう場合で、以下の条件でFLY ON ポイントを計算してみます。

・フライトマイル・・・510マイル
・FLY ON ポイント換算率・・・2.0倍
・搭乗ボーナス FLY ON ポイント・・・400ポイント

 

計算式は「510マイル×2倍+400ポイント」となり、獲得するFLY ON ポイントは1,420ポイントです。往復で3,000ポイント弱の獲得となります。

JMBクリスタル/JGCクリスタルになるためには30,000ポイント必要なので、往復10回以上が必要になる計算です。

次に国際線もシミュレーションしてみましょう。
成田からアメリカのニューヨークに向かうとして、以下の条件でFLY ON ポイントを計算してみます。

・フライトマイル・・・10,085マイル
・FLY ON ポイント換算率・・・1.0倍
・搭乗ボーナス FLY ON ポイント・・・400ポイント

 

計算式は「10,085マイル×1.0倍+400ポイント」となり、獲得するFLY ON ポイントは10,485ポイントです。往復で20,000ポイント以上取得できる計算です。

JMBクリスタル/JGCクリスタル会員であれば3往復程度、JMBサファイア/JGCサファイアでも5往復程度です。
JMBダイヤモンド/JGCダイヤモンドでも10往復で条件達成となります。

 

JAL上級会員ダイアモンドの特典を解説

 

修業なんて面倒くさい!?ANAとJALの上級会員になる裏技

修業なんて面倒くさい!?ANAとJALの上級会員になる裏技

搭乗をすれば上級会員には近づきますが、時間もお金もかかりますし面倒に感じてしまう人もいますよね。
しかしANAとJALの上級会員にもっと簡単になる方法もあります。
毎年修業をする必要がない方法まであるのです。

こちらではANAとJALの上級会員になる裏技を解説します。

ANAの上級会員になる裏技

ANAの上級会員になり、ステータスを維持するためにはANAグループ便を定期的に利用しなければなりません。
しかしANAスーパーフライヤーズカード(SFC)と呼ばれるクレジットカードを取得すると、ステータス(プラチナ会員相当)が半永久的に維持できるのです。

ただしANAスーパーフライヤーズカードを取得するためには、一度は自分の力のみでプラチナ会員にならなければなりません
プラチナ会員以上になった時点でANAスーパーフライヤーズカードに申し込みを行うと、今後はANAの航空便を利用しなかったとしてもプラチナ会員相当のステータスを維持し続けられるようになります。

ANAスーパーフライヤーズカードは全部で8種類あります。

・ANAスーパーフライヤーズカード(一般カード)
・ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード
・ANAダイナース スーパーフライヤーズカード
・ANAアメリカン・エキスプレス®スーパーフライヤーズ・ゴールド・カード
・ANA JCBスーパーフライヤーズカード プレミアム
・ANAダイナーススーパーフライヤーズ プレミアムカード
・ANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード
・ANAアメリカン・エキスプレス® スーパーフライヤーズ・プレミアム・カード

 

カードによって年会費が異なっているので、それぞれのカードを比較し、自身にマッチしているものを選びましょう。
ボーナスマイルの内容もカードによって異なっているので、事前に確かめておくことをおすすめします。

カード名 入会ボーナス 継続ボーナス 特別ボーナス 積算率
SFC一般 なし 2,000マイル なし 35%
SFCゴールド なし 2,000マイル 2,000マイル 40%
SFCダイナース なし 2,000マイル 2,000マイル 40%
SFCアメックスゴールド なし 2,000マイル 2,000マイル 40%
SFCプレミアム(JCB) 10,000マイル 10,000マイル 2,000マイル 50%
SFCプレミアム(ダイナース) 10,000マイル 10,000マイル 2,000マイル 50%
SFCプレミアム(VISA) 10,000マイル 10,000マイル 2,000マイル 50%
SFCプレミアム(アメックス) 10,000マイル 10,000マイル 2,000マイル 50%

JALが参加するワンワールドの上級会員になる方法と裏技!3つのステータスの特典も調べてみた

JALの上級会員になる裏技

JALも特定のクレジットカードを取得すると、一定の会員ステータスが保持できるようになります。
基本的な考え方はANAと一緒です。

対象となるクレジットカードは4つです。

・JAL CLUB-Aカード
・JAL CLUB-Aゴールドカード
・JAL ダイナースカード
・JAL プラチナカード

 

いずれかのクレジットカードを取得して上級会員を維持するためには、まずは自力でJMBサファイア会員にならなければなりません
JMBサファイアになった上で、4つのカードのうちいずれかのクレジットカードを取得するとJALグローバルクラブ(JGC)に入会できるようになります。
そして一度JALグローバルクラブ(JGC)に入会すると、半永久的に資格が自動更新されるのです。

仮に入会後にJAL便に乗らなかったとしてもJALグローバルクラブ(JGC)ではあり続けられるので、時々しかJAL便を利用しなくなったとしても上級会員のサービスを受けられます。

サファイア会員になるためには

・年間で50,000 FLY ON ポイントを獲得する(うちJALをグループ便25,000 FLY ON ポイント)
・年間50回以上の搭乗(うちJALグループ便25回以上)かつ15,000 FLY ON ポイントの獲得

 

以上のいずれかの条件を満たす必要があります。
まずはサファイア会員の条件達成を目指し、その上で対象のクレジットカードを取得しステータスを維持しましょう。

 

JALの上級会員になる方法と裏技!各ステータス特典にも注目してみた

まとめ

ANAとJALの上級会員になるため修行方法、およびステータスを維持する裏技

ANAとJALの上級会員になるため修行方法、およびステータスを維持する裏技を紹介しました。

ANAとJALの上級会員になるためには、基本的なことですが長距離の移動にそれぞれの航空便を利用することです。
フライトマイルが多くもらえる便を利用すると、対象となるポイントが多くもらえるので、上級会員が一気に近づきます。
またANAやJALの航空便を利用して獲得したポイントも重要なので、他の同じアライアンスに所属する会社のポイントだけをためていては上級会員にはなれないので注意しましょう。

上級会員を維持する裏技も紹介しました。
ANAとJALともに対象のクレジットカードがあり、取得すると一定のステータスが維持できるようになります。
半永久的に上級会員になれるのです。

航空便の利用に波がある、という方はクレジットカードによるステータスの維持も検討すべきです。

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